Sさん
※この受講生は現在当塾講師として活動しております。
自分は理転して東大受験を決めた数ヶ月後に合格の天使の門を叩きました。
現役時は私立文系で英語、社会科、小論文しか勉強しておらず、数学は1Aならなんとかできる、2Bは対数あたりから怪しい、3と物理化学は無知という状態でした。 勉強自体を始めた時期は4.5月ごろからで、合格の天使のもとで数3や物理化学の勉強を本格的に始めたのは夏頃だったかと思います。
比較的短期間で東大理3に合格できた要因を振り返ると
①同じ作業でも徹底的に“考えて”行っていた
②学習の目的と身につくものをパターン化して効率化を図った
③基本的な部分こそ講師に尋ねるようにした
④英語に絶対的な自信があった
の4つだと思います。どれもかなり端折ってしまっているのでより詳しく以下に書いていきます。
①は最も大きい原則のようなもので、これ無くして合格はできないと思います。②③もこれを実行した結果であると言えます。 これは「自分の到達したい状態を考えて、それを満たすには今やっている作業に対して何ができなければならないのか」を考えるということです。例えば単語の暗記なら、単語を見た瞬間にそのイメージが瞬時に見えなければならないし、数学の1対1ならその解法を「使える」状態でなければいけません。それならただ日本語訳を言えるだけではダメであるし1対1もその問題が解けるだけではダメだということが分かるわけです。これをやらずに漠然とテキストを進めるだけでは「そのテキストを解けるだけ」で実力が止まってしまうと考えました。
②は意外と考えている人は少ないかもしれませんが僕にとっては重要でした。 まずテキストの目的と身につくものは必ずしも一対一ではありません。例えば数3の微積の問題集があったとしたら、目的は「数3微積の典型的解法を知り、慣れること」だとしても、計算力がついでに身に付いたりします。これらを分類していくと被っている要素がけっこうあるので、「この問題集を1冊やれば他のこの2冊で身につけたい〇〇も身につくな」と考え、絶対的な演習量を減らすことができます。 もっと言えば、自分がその教材から何を学んでいくかは自分の意識次第だということです。いくらそのテキストが「〇〇の本質が身につく!」などと謳っていても自分がそれを意識しないでただ読むだけ、ただ解くだけではなにも身に付かないです。 大したことがないように思えるかもしれませんが、ネットでの評価で「〇〇を鍛えたいならコレ!」などとあって自分がそれに当てはまっているとつい手を出してしまうことがあるものです。この考えを徹底しているとこのように踊らされることがなくなりますし、常に目的意識を持って教材に取り組むという癖をつけることができます。
③もかなり重要です。レベルの高いことやあまりに専門的なことは意外と説明がしやすかったり、使える場面が少ないために「この場合だけ覚えれば良い」と割り切ってしまえるものです。逆に超基本的なこと、原理原則に近づいていくほど抽象度が増してきて、説明が難しくなります。こういうポイントで自分勝手な解釈のみで理解したままにしていると後で伸び悩むと感じました。合格の天使の講師さんはこういう部分に圧倒的に長けています。自分はすでに分かっていることでも講師さんの解釈と自分の解釈が一致しているかどうかを確かめるためにあえてわからない体で質問したこともありました。(なんでこんな簡単なことを、と思われていたかもしれません笑)
④は元から英語が得意だったといえばそれまでなのですが、やはり一年で理3に受かるとなると少なくとも一教科はかなり得意でないと厳しいのかなとは思います。逆に今一教科でも自信があるのなら理3も勝算あると思います。僕は英検1級程度の英語力があり、あとは東大の形式に慣れるだけという状態でした。逆に数学はもともと文系だっただけに全然出来なかったです。東大理3というと数学のバケモンの集まり、のようなイメージですが、戦略的に僕は数学はそこそこ、英語と理科で稼ぐという点数計算でいきました。まあ結果的に数学もある程度できるようにはなったのですが。
他にも色々考えていたことはありますが、概ねこの塾の著書『受験の叡智』や、合格の天使のWEBに書いてのあることと思考は一致していました(というより、一致していたからここに指導をお願いしたという感じです)。
実際に合格してみて思ったのは、正しくやれば成績は簡単にあがるんだなということでした。僕は今でも自分の頭が良いとは1mmも思っていませんし、合格したのも運が良かったと考えています。しかし実際に合否を争えるレベルまで来れたことは確かで、それは前述したような正しい努力があったからです。 もし受験に才能があるとしたら、僕が書いたようなことに気付けるか否か、意識して実行する行動力があるか否か、の差だと思います。脳のスペック云々は全く関係ないと考えます。 これを読んでいる人で少しでも意欲がある方はぜひ行動に移してみてください。