大学を中退し別の大学に通う。そういったような、いわゆる再受験生は医学部では決して少なくないように感じます。当然、再受験生は年齢が一般の受験生と比べ高い傾向にあり、かつ以前の受験勉強からは長い期間遠ざかっているため、どうしても合格へのハードルが高くなってしまいがち。今回はそんな再受験生として、26歳で医学部に合格したKさんにお話をお伺いし、東京メディカル学院での生活や合格のカギを探ってきました。
-
- 日本医科大学 1年
- K.T 氏
-
- 事務長
- 曲 秀明 氏
「再受験で日本医科大学に入学しました」
-Kさんは再受験で医学部に入学されたとお聞きしてますが、簡単にご経歴をお伺いできればと思います。
K:文系の大学院を卒業して、2浪して日本医科大学に入学しました。1浪目は他の予備校で個別指導を受けていて、2浪目で東京メディカル学院に通いました。
-大学院までご卒業されて、なぜそこから医者になろうと思ったのでしょう?
K:大学では哲学に興味があって専攻してましたが、生きているうちに人の役に立つ仕事をしたくなって医学部を志望しました。高校の友人には既に医学部卒業して医師になっている人もいて、でも私にはとても無理だなーと最初は諦めていました。大学院を出るときに25歳で、いろいろ考え直してやっぱりお医者さんになりたいと。
-何かきっかけはあったんでしょうか?
K:そうですね。学生時代に東大の生協でアルバイトしていたんですけど、東大病院の先生もよく来てくれてたんです。お医者さんって私にとっては遠い存在だったんですけど、その時に少し身近に感じられたというのはありますね。時期的にもちょうど将来についていろいろ考えてた時期で、人の役に立つ仕事がしたいと思っていたので上手くそこがリンクしたというか。
-なるほど。医者になるまでの道のりは浪人+6年と長いと思いますが、年齢的なところは気にならなかったですか?
K:あまり気にならなかったですね。実は母も大学を卒業して銀行に勤めていたんですけど、辞めて司法試験を受けて30歳で弁護士になったんです。そんな母の影響も潜在的にはあったかも知れません。
-そうなんですね。将来的には何科を目指しているんですか?
K:麻酔科志望です。私は人手が足りないところで働きたくて、調べてみると産婦人科と小児科、救急、麻酔科あたりが不足しているみたいで、麻酔科のことは正直知らなかったんですね。これも調べてみると手術のときに麻酔をして起きるまでが仕事みたいな。痛みの管理をしたり。一般的に花形は外科で、麻酔科は地味ですけど私には裏方な方が性格的に合ってるかなと思って。
「1浪目の最初の模試は、偏差値28とかありましたからね(笑)」
-受験勉強から随分離れていたと思いますが、不安とかなかったですか?
K:私の場合は文系出身で英語は得意でしたけど、数学と理科はほぼゼロからの状態だったので少し不安はありましたね。1浪目の最初の模試は、偏差値28とかありましたからね(笑)ただそれよりもお医者さんになりたいという気持ちが強くて、そこまで深く考えてなかったかも知れないです(笑)
-凄いバイタリティですね!医専予備校に通おうと思ったのはなぜでしょう?
K:もともと医専予備校の存在自体を知らなかったので1浪目の最初は大手予備校に通ってたんですね。一番下のクラスだったんですけど、全くついていけなくて。母親に相談したら最初は個別指導で基礎を教えてもらった方が良いんじゃないかというアドバイスをもらって、そこからネットで探して医専予備校があることを知ったんですね。それで、大手予備校を1ヶ月で辞めて医専予備校に週1回通ってました。ちなみに1浪目はここじゃなくて別の予備校でした(笑)
-2浪目で東京メディカル学院に変えたご理由は何でしょうか?
K:1浪目は個別指導だったので、学費も高く化学と数学ⅠAⅡBしか受けてなかったんですね。全教科を個別で受けるとなると学費も厳しかったですし、1浪して少しは基礎が積みあがったので少人数制の予備校に変えようと決めました。生物と数学ⅢCはゼロの状態でしたけど(笑)
-東京メディカル学院に面談に来たときの印象は如何でしたか?
K:堅苦しくないしこじんまりとしていて良いなーと思いましたね。
-みなさん凄く自然体ですよね!入塾してから印象は変わりましたか?
K:いや、ほんとにそのままですね。先生方も小回りが利くので質問があったらすぐに先生の所に行って「どうしたら良いですか?」って聞きやすかったですね。
-質問は先生とチューターのどちらにするんですか?
K:特に決まってなくて、私の場合は質問によって先生に聞くこともあればチューターに聞くこともありました。
「私のレベルに合わせたプリントを作ってくれました」
-ちなみに東京メディカル学院さんと言えば夜間特訓指導が有名だと思いますが、こちらは受けたことありますか?
K:そうですね。ウィークリーテストで点数が悪いと呼ばれて教えてもらってました。
曲:Kさんの場合は、ウィークリーテストの点数も良かったから、あまり引っかかることなかったよね?
K:確かにあまりなかったかも知れないですね。ただ、先生にここが苦手と言うと私のレベルに合わせたプリントを作ってくれました。しかもビックリするくらいの量をくれたりして、それを解いてまたチェックしてもらう感じです。それは本当に助かりました。
-それって何回でも聞きに行って大丈夫なんですか?
K:大丈夫ですよ。決まりはなかったですよね?
曲:全くないです。回数制限もないです。
-極端な話ですが無料で個別指導が受けられちゃう感じがするんですけど、個別指導との境界線ってどこなんですか?
曲:夜間特訓指導は基本的にはテストの点数が悪かった生徒を呼んで1対2で強制的に授業を行ったり、Kさんも言ってましたが、これが苦手という単元があれば講師に相談してプリントを作って教えてもらうということも柔軟に対応してます。それに対して個別指導は80分の授業を1対1で決まった時間にその生徒に合わせたレベルで授業を進めていくスタイルですね。まぁ、夜間特訓指導も有効活用すれば、個別指導に極めて近いカタチで、しかも無料で受けられちゃいますね(笑)
-たとえば、この大学に合わせた問題を作って欲しいという依頼が来たら1対1で対応することもあるんですか?
曲:もちろんそれはありますね。必ずしも1対2でないと駄目って訳ではないです。1対1で教えてもらったことある?
K:たくさんありますね!どの先生でもラフに聞けちゃうので(笑)
曲:そうだよね。こんな感じで個別に対応するケースが多いから、定員制じゃないと難しいんですよね。定員制を取らないと流石に対応は厳しいと思います。
-確かにそうですよね。定員って何名でしたっけ?
曲:1クラス5~10名前後です。
-一日の流れはどんな感じですか?
K:前期は8時30分くらいに来て、9時半~16時くらいで授業を受けてそのあと21時くらいまで自習室で予習と復習をやってから帰ってました。ただ、夏明けくらいにみんながもっと早く来たいってなって8時くらいから空けてくれるようになりましたね。私も8時くらいに来て勉強してました。
-柔軟性が凄いですね!夜は何時まで空いてるんですか?
曲:22時までですね。
-帰ってからは流石に勉強しないですよね?
K:帰ってからはやってなかったですね。ただ、21時くらいに出ると22時くらいに自宅の最寄駅に着くので、そこから23時までやってというのは結構ありました。後は通学の電車内で英単語とかやってたかな。
「事務長に愚痴ったりもしてました(笑)」
-全く習ってなかった教科がある中で、この1年で合格できるイメージはありましたか?
K:年齢を考えると、2浪までかなと思ってたのでいけるイメージがあったと言うよりは、毎日受かると思って気持ちだけは切れないようにしてましたね。実際夏くらいになると疲れてきますし、折れそうになることもありましたけど(笑)
-それはどうやって乗り越えたんでしょうか?
K:点数が取れなくて落ち込んだときは、あまり無理にやらず休んだり。ただ、点数が取れるまでには時間がかかるって先生からも言われてたので焦らないようにって言い聞かせてやってたり、事務長に愚痴ったりもしてました(笑)
-どんな愚痴を言ってたんですか(笑)?
K:「私こんなに勉強してるんで褒めて下さいよ!」とか言ったりして、そうすると事務長が「俺も凄いと思ってるよー!」とか「点数になるまでには時間はかかるけど、大丈夫だよ!」って励ましてくれるんですよ。私だけじゃなくて、みんなも自習室で勉強してるとたまに問題が解けなくてイライラして、下(講師室)に降りてって先生と話してまた上(自習室)に戻ってくみたいな。そのまま下で勉強している人もいましたね。ここはそういう感じなんですよ!
-へー、凄いフランクですね(笑)イライラしたときに先生に気軽に話しかけられるのは気持ち的にも楽になりそうですね!生徒同士で教え合ったりもあるんですか?
K:教えるというより、暗記するものはみんな其々の覚え方があったりするのでそれを聞いたりしてましたね。たまに凄く覚えやすいのがあるんですよ(笑)
-なるほど、みなさん仲が良さそうですね!
K:仲良かったですね!私のときは女子が半分以上いましたし、お昼一緒に食べることも多かったですし。ここは現役生との壁もなくて夕方くらいに現役生が来るんですけど、なぜか仲良かったですね(笑)受験終わってからも、3月に生徒だけ20人くらいで「お疲れさん会」みたいな感じでご飯食べに行きましたね。
-東京メディカル学院での印象に残っている出来事とかありますか?
K:誕生日の日に自習してたらある生徒からちょっと化学教えてって言われて、いいよって言って上の自習室に行ったらみんながケーキを用意してくれてたんですよ!それは凄く嬉しかったかなー。勉強の話じゃなくてすいません(笑)
-それは嬉しいですね!
K:そうですね。みんなで企画してやってくれたみたいです。そう言えばこのエピソード日医の面接でも話しちゃいました(笑)「最近嬉しかったことは何ですか?」って聞かれて。
-面接でそういうことも聞かれるんですね。他に印象に残っているエピソードはありますか?
K:そうですね、英語の先生でちょっと怖い先生がいるんですけど合格発表の日に気遣って電話してくれたり、小論文の先生も廊下でちょっとすれ違った時に「何かこういうこと聞かれるらしくて怖いんですよー」ってボソって言ったら、次の日にそれについて回答例を作ってきてくれて3時間くらい教えてくれて、凄く嬉しかったしビックリしましたね!面接での心構えについてもまとめてくれてあって、面接のときにはお守りのように持ち歩いてましたね!
「ここは、みんなで合格しようという一体感があります。」
-へー、それは凄いですね!期待以上のものが返ってくると嬉しいですよね!ちなみに東京メディカル学院に合う人ってどんな人だと思いますか?
K:アットホームな雰囲気があるので、どの人にも合うと思います。
-凄い分かる気がします。私にもそんな感じがヒシヒシと伝わってきます。ピリピリとした雰囲気は、良い意味でないですよね!
K:そうですね。ここは他と違って競争というより一体感があるんだと思います。誰がどこに行きたいかも分かってるし、みんなで合格しよう!という雰囲気がありますね。良い意味で型がないというか。
-やっぱり講師の方にもこのスタイルでやって欲しいとかもお願いしているんですか?
曲:いや、ないです(笑)講師には強制はしていないですけど、うちの雰囲気を自然と体現してくれますね。強制するとやらされ感が生徒に伝わっちゃうと思いますね。極端な話ですが、授業外でどれだけ一人ひとりの生徒に向き合えるかが大事かなと思います。
-受験が近づいて思いつめちゃう時期でも、精神的にも落ち着くというか一緒になって乗り越えられそうですね!それでは、最後に受験生へのメッセージをお願いします。
K:受かるビジョンを持ってやることが大事かなと。後は自分に何が足りないかを時には先生に相談しながら常に明確にしておくことですね。大変だと思いますが、自分を信じて頑張って下さい。
-本日は貴重なお話をありがとうございました!
取材中にも、生徒がフラーっと講師のとこに来て相談したり、講師がラフな感じで話しかけたり、生徒同士が会話する姿を見て、講師、チューター、事務スタッフのみんなが決められたルールで動く訳ではなく、生徒に自然と向き合っているんだなと感じました。それが一体感を生み出していて、家族にも似たような雰囲気が印象的でした。そういう意味で、不安の多い受験生もここにいると精神面が充実し、結果として勉強にも集中できる環境があると思います。