通学生について

川﨑:はじめに、通学している生徒さんの通学圏はどの範囲かお伺いできればと思います。
渡辺:大阪府内からはもちろんですが、大阪梅田校には兵庫や京都などから大阪の高校に通っていて、学校帰りに当校に通う生徒もいます。電車一本で来られる場所であれば、大阪なんば校やあべのハルカス校には奈良や和歌山からも来てくれています。特定の地域から来ているというより、生徒たちの高校や自宅の位置から通いやすいので大阪校3校を選択して通学している印象があります。
川﨑:自宅や高校の位置関係と電車の利便性によるということですね。現役生と浪人生の比率はいかがでしょうか?
渡辺:毎年4月時点では高卒生の方が多いですが、現役生が夏の部活が終わってから途中入校をして来るので、受験期になると割合は半々になっています。また推薦の時期になると、他の予備校がメインで推薦対策だけラボで受講する生徒もいます。中には学習カリキュラムに魅力を感じていただき次第にラボの講義を増やしていく生徒さんもいます。
川﨑:現役生はどの高校から来ている方が多いのでしょうか?
渡辺:現役生の所属高校は多岐にわたっています。例えば梅田校では、京都や兵庫の高校の生徒もいますが、府内では金蘭千里高校、大阪教育大学付属高校、大阪桐蔭高校、大阪星光高校、四天王寺高校、清風高校、清風南海高校などからの通学者が多いです。特にあべのハルカス校が開校してからは、天王寺付近の高校生からの問い合わせは非常に増えています。
川﨑:下宿をしている生徒さんもいると思いますが、数多くいらっしゃるのでしょうか?
渡辺:梅田校やなんば校では、下宿や寮に入っている生徒は5名程度でしょうか。主に実家の近くに医系専門予備校が少なく、志望大学が関西にある生徒が下宿をしています。多くの生徒は自宅から通学していますね。男女比は6:4で男子が若干多い傾向にあります。
川﨑:生徒さんはどこの大学を目指しているのでしょうか?
渡辺:地元ということで関西の私立大学を目指している生徒が非常に多いです。しかし生徒の知らない大学の情報も多く提供し選択肢を増やしてあげると、大学の特徴や自身の得意科目に合わせて受験校を選ぶようになりますね。私自身関東の校舎から転勤してきた経験を活かしているので、全国区の医学部受験指導がより充実してきています。結果として関西だけでなく関東の大学の合格率も高くなってきました。
在籍チューターについて

川﨑:少し話が変わりますが、大阪校のチューターさんはどこの学生が多いのでしょうか?
渡辺:大阪校では全員で40人ほどのチューターがいます。大阪校の卒業生を含め様々な大学出身の医学生が在籍していて、国公立では大阪大学、京都府立医科大学、大阪市立大学、奈良県立大学、和歌山県立医科大学など、私立では大阪医科大学、関西医科大学、近畿大学、兵庫医科大学から来てもらっています。また、卒業生は授業の受け方や復習の仕方など、メディカルラボでの過ごし方もアドバイスしてくれているので非常に助かります。
川﨑:土地柄なのか、在籍人数も大学のバラエティもとても多いですね。
渡辺:そうですね、採用する際に大学のバラエティは意識しています。大阪近辺では医学部を備えた大学が多く、実際の医学生の声が生徒達の志望校選びの参考になることも大いにあります。そのため、年次があがると多忙になり、なかなかシフトに入れない学生もいるのですが、できるだけ籍を置いてもらっています。月に1回来てくれるだけでも生徒にとっては話が聞けるいい機会ですからね。
川﨑:生徒達の選択肢も増えるわけですね、大阪校の生徒は非常に恵まれていると思います。
大学入試の特徴について

川﨑:生徒さんが志望される大学の試験の特徴はありますか?
渡辺:推薦に関しては関西医科大学が特徴的です。一般的な教科別の試験とは異なり、全科目の問題が盛り込まれた総合テストになっています。理科は三科目とも出題されますが、選択していない分野も公式を使わずに解ける問題です。難易度は一般試験ほど高くありませんが、考える力と地頭の良さが求められます。また、近畿大学の推薦入試は併願が可能な大学です。しかも、一般入試と同様に数Ⅲが出題されません。英語では文法問題のレベルが高く、近畿大学のレベルよりも難易度が高い問題が出るので、その取捨選択が求められます。国公立志願者が試金石として受験する傾向もあります。一般入試では関西の私立大学は全体的に問題の難易度が高く設定されている傾向ですが、基礎学力を確実にしておくことでその場で対応できる出題も多い傾向にあります。特に関西医科大学は入試傾向の変化が多く、その場での対応力が要求されます。そのため、普段から入試基礎~標準レベルの問題に対してミスなく解答できる力を養うことが重要です。その上で、各大学の出題傾向に合わせられるように分析しておくことが大事です。
川﨑:なるほど、傾向を掴むためにも考えながら勉強に取り組むことが大事なのですね。独自に取り組まれていることはありますか?
渡辺:単語の暗記は、ネイティブの音を聞き音読しながら学習をすることで記憶にも残りやすいといわれています。当校では声に出しながらの音読やリスニングの教材を聞ける多目的室の利用を積極的に勧めています。英語以外の科目でも覚えることは多いので多目的室で発声しながら勉強している生徒も多くいます。
受験生へのメッセージ
川﨑:最後に、医学部を目指す生徒達へのメッセージをお願いします。
渡辺:医学部受験は1年間の学習の成果で将来の仕事が決まります。人の生命や健康に携わる重要な医師という職業を選ぶ以上、覚悟を決めて努力を怠らないことが重要です。そして、自身の将来と大学選びの動機付けをよく考えてほしいと思います。関西に住んでいるからなんとなく関西の大学に行きたいという生徒が多いですが、動機付けをしていないと勉強の質が落ちてしまうことがあります。また、問題作成者の意図を考えながら解くことも大事ですね。出題意図が分かるようになると求められる力とのギャップが測れます。この差が分かると、ギャップを埋めるという根拠に基づいた質の高い勉強ができるようになるので成績の伸びも速くなります。
(※本記事は2018年12月時点での内容になります。)