通学生について

川﨑:はじめに、札幌校に通う生徒さんの通学圏について教えて下さい。
宮崎:およそ85%~90%の生徒は、道内の生徒です。その中の約9割が札幌市内からですね。小樽や室蘭から、保護者の方に車で送り迎えしてもらって通学するケースもあります。道内と言っても広いですから、保護者の方の協力はやはり必要になりますね。その他、青森から札幌に移り住んで通っている生徒もいますよ。
川﨑:東北の方は、札幌市内の予備校に通うケースも多いのでしょうか?
宮崎:仙台へ行く生徒と分かれます。「北海道の医大を志望する」や、「親戚が北海道にいる」などの理由で来る生徒が多いですね。現役生はほとんど通学なので、浪人生の一部の生徒について言えるケースではありますけど。
川﨑:なるほど。では、現役生と浪人生の割合はどのくらいなのでしょうか?
宮崎:年々変化しますが、現在は半々ぐらいです。しかし、最近では現役生が増加傾向にあります。というのも「完全個別授業」のスタイルは、一人ひとりの学力を大きく伸ばすことができる指導方式のため、現役生からの支持率が上がってきているんですよね。
川﨑:確かに、「完全個別指導」だと集団に紛れないので「ついていけない」ということはなくなりますよね。先ほど「現役生は通学」というお話もありましたが、現役生はどちらの高校が多いのでしょうか?
宮崎:札幌光星、札幌大谷、立命館慶祥、北嶺など、主には私立の中高一貫校が多いですね。昨今は高校との連携強化も図っているので増えてきており、札幌南、札幌第一、東海第四など、道立の生徒も来ています。
川﨑:かなり色々な高校から来ているようですが、志望する大学も札幌の大学が多いのでしょうか?
宮崎:受験生は道内の大学、特に国立志望が全体の7割と非常に多いです。私大医学部がない北海道ならではの特徴だと思います。自分の目指すところに届くよう「少しでも学習時期を早めること」、「悩んでいる生徒のシグナルをキャッチする」など当校でも可能な限りの対策をさせていただいています。
在籍チューターについて

川﨑:札幌校にはチューターさんは何名ほど在籍されていますか?
宮崎:在籍者は12名です。毎日交代で学習指導に来てくれていますね。
川﨑:どちらの大学からきてくれているんでしょうか?
宮崎:北大、札幌医科は市内ですから来てもらいやすいですね。旭川医科大学になるとけっこう距離があるので、まだ採用できておりません。
川﨑:たしかに、旭川から札幌は距離ありますよね。では、チューターさんは主にどんな対応をされているんでしょうか?
宮崎:メインは質問対応ですね。当校で採用しているチューターは全科目の採用試験をクリアしています。様々な質問にも的確に対応できる優秀な医学生が揃っています。
大学入試の特徴

川﨑:北海道はすべて国公立大学ですよね。入試の傾向に何か特徴はありますか?
宮崎:やはり国公立は明確な特徴というのは感じていませんが、学科で見抜けない能力を「面接・小論文」で見抜かれるな、というのを感じています。旭川医科大学のAO入試は、個人面接と集団面接の両方行われます。個人面接はコミュニケーション力やマナーを見られますし、集団面接では問題解決力や協調性を見られています。偏差値が70あっても、人間性が及ばない場合は、やっぱり落とされてしまう難しさもありますね。
川﨑:北大、札幌医科はどうでしょうか?
宮崎:北大はオーソドックスな入試問題ですね。奇をてらった難問はなく、基礎をしっかり固めて確実な解答力を身に付けていくことだと思います。札幌医科は英作文をすごく重視されています。「英語で自分の意見を述べる」ことが求められます。完璧な英語力とともに、価値観・哲学を問われているんですよね。
川﨑:そうなると、解答にも個性が見えますよね。そういった「面接・小論文」などに関する価値観などは、どうやって身に付けていけば良いでしょうか?
宮崎:当校では年に2回「面接アドバイス週間」を実施しています。入退室・伝え方・表情・声の出し方などを実際の面接入試問題を使って行います。価値観は身に付けるだけでなく、「どう伝えるか」も重要なんです。また、「合計点主義」といって、面接・小論の講師と各科目の講師が連携し、「総合点で合格に導く」という対策も行っています。各生徒の得意・不得意は違うので、力を入れるべき科目は変わりますよね。講師全員で一人の生徒の最適な学習プランを考えていくことで、総合点で勝つ取り組みです。
受験生へのメッセージ
川﨑:それでは最後に受験生へのメッセージをお願いします。
宮崎:受験には「絶対」というのがありません。学力が高くても内面が伴わなければ合格することはできない。「どんな医師になるか」も考えながら成長していかなければなりません。受験生に必要なのは「覚悟」と「決意」をもって毎日を過ごすことだと思います。国公立を志望するならなおさら「早期対策」「スケジュールに沿った学習」が必要になりますから、気持ちもタフになるしかありません。受験生・保護者の皆様と一緒に私たちも精一杯応援します。
(※本記事は2019年12月時点での内容になります。)